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フィラリアの予防は1年の最後が大事です さいたま市/南浦和/川口市/動物病院

ジンベイ動物病院獣医師の塩ノ谷です。

フィラリア予防薬いつまでした方がよいでしょうかというお問い合わせを時々頂きます。

目安としては「12月上旬頃」と診察時にはお伝えしていますが、その理由をフィラリアや予防薬の特徴をまじえつつ、すこし掘り下げてお話ししたいと思います。

フィラリアの予防薬は駆虫薬に分類されます。1か月に1度の飲み薬(チュアブルも含む)の場合、飲んでから1か月予防効果が続くのではなく、飲んだタイミングですでに感染してしまっているフィラリア幼虫を駆虫できるという効き方をします。

 フィラリアの幼虫が寄生している蚊に刺されることで犬・猫の皮膚にフィラリアの幼虫が入り込み感染が成立しますが、その後3〜10日間ほどで移行幼虫とよばれる状態に成長します。フィラリアの予防薬はこの移行幼虫に効果を発揮します。その後、移行幼虫は1か月半~2か月程で脱皮して成虫になりますが成虫には予防薬が十分に効かないため、移行幼虫になってから成虫になる前のタイミングで予防薬をつかってあげる必要があります。確実にフィラリアの駆虫が可能なタイミングは、蚊からの感染が起きてからおよそ1か月前後といえますね。

また、フィラリアの感染が起きる時期に関してはHDUとよばれる、フィラリアの幼虫が蚊の体内で感染可能な状態に発育するのに必要な積算温度をもとに推測することができます。この値をもとに、埼玉県において過去15年間の中で一番遅い感染終了日は11月4日と算出されています。これはあくまでも推測日ですので、同じ埼玉県内でも地域によって多少ばらつきがあると思います。

このような理由から、一年の最後のフィラリア予防のタイミングは11月4日から1か月後の「12月上旬頃」というタイミングをおすすめしています。

翌年のフィラリア予防が始まる4、5月まで休薬期間が5か月ほどありますが、今年最後の予防薬をせずに感染している状態でその期間を過ごしてしまうと、予防薬の効かない成虫の状態にまでフィラリアを体内で育ててしまうことになります。ですので、1年の最後の投薬はどうか忘れずに行ってあげてくださいね!

もし、すでに予防薬を2か月以上投薬し忘れてしまった・・・という場合は急いで予防薬を与える前に血液検査で感染の有無を確認することをおすすめします。感染してしまった状態で予防薬を投与するとアナフィラキシー症状を起こしてしまう可能性があります。

ジンベイ動物病院では、フィラリア予防薬として錠剤、おやつ感覚で食べてもらえるチュアブル、皮膚に滴下する液状タイプ、ノミダニも一緒に予防できるチュアブルなどをご用意しております。

愛犬パンチはチュアブルタイプが月一回のお楽しみになっています!

安心して元気に冬を過ごせるように、忘れずにフィラリア予防をしていきましょう!