クサガメの卵管脱・開甲手術(エキゾチックアニマル)さいたま市/南浦和/川口市/動物病院
こんばんは。獣医師の長尾です。
本日はお尻から何かでているということで来院されたクサガメさんのカメモンちゃんです。
実は少し前にも出ていたとのことですが、千切れて無くなったとのことでした。
来院時、お尻から何やら白いものが出ています。カメさんはお尻の穴は1つで総排泄孔といい、卵もウンチも尿も同じ穴から出てくるように見えますが、中では分かれています。なので、この脱出した白いものは卵管か腸か膀胱ということになります。
いろいろ検査をしてみると卵管があやしいです。
基本的にお尻から出たものは排泄腔に押し戻しても良くなることはなく、中で腐ってしまいます。
なので、カメモンちゃんも手術することになりました。カメさんのお腹の中を手術する場合、前大腿(足の付け根)の皮膚を切って手術するか、甲羅を開ける手術になります。
今回は、足の付け根からではアプローチしにくい為、甲羅を開けることにしました。
開けてみると、お腹の中は血だらけでいろんな臓器が癒着していました。これでは、足の付け根からでは手術できませんので甲羅を開けて正解でした。
癒着を少しづつ剥がし、卵巣と卵管を摘出しました。やはり卵管が千切れており、そこから出血していたようです。
こういう場合、卵巣がさまざまな臓器にくっついており、取りきれない場合があります。今回も一部肺と癒着しており、可能な限り摘出いたしました。
1ヶ月の再診で、すっかり元気な姿を見せてくれたカメモンちゃんでした。
かなりの貧血、体腔内の炎症、などもありましたがよく頑張りました。しかし、炎症の影響などが今後でる可能性もあるため、まだ油断はできません。