モルモットの卵巣疾患(エキゾチックアニマル)さいたま市/南浦和/川口市/動物病院
こんにちは、ジンベイ動物病院獣医師の長尾です。
本日はモルモットさんの卵巣疾患についてです。
モルちゃんはポピーちゃんです。
以前から血尿を認めており、リュープリンというホルモン剤にて治療を行っておりましたが、なかなか血尿が落ち着かないため、今回、手術を頑張ってもらうことになりました。
モルちゃんの卵巣疾患にもさまざまなものがありますが、卵巣嚢胞と言われるものが多く、女の子のモルちゃんで18か月齢以上では75%以上の罹患率ともいわれております。(つまりほとんどの女の子は卵巣疾患が発生すると言っても過言ではありません。)
卵巣嚢胞はホルモンを分泌し、その影響から、子宮の異常による血尿や、皮膚の脱毛などの異常を引き起こし、中には卵巣自体が巨大な嚢胞をつくり命にかかわることもあります。
手術は卵巣と子宮の摘出です・・・が!犬猫やウサギさんのように簡単にはいきません。卵巣を体にくっつけている靭帯が伸びないため、お腹の真ん中をあけて手術では卵巣が摘出できないことがおおいのです。
そこでお腹を切るのではなく、背中を一か所切ってそこから摘出する形になります。(子宮に異常があったりした場合は複数個所切開することもあります)
ポピーちゃんも頑張ってくれて無事摘出完了です。
小動物(エキゾチックアニマル)の麻酔は体が小さいので、いつもとても慎重に行っています。
傷口は一か所で済みました。糸も外に出ないように縫合するため、基本的に本人も気にしないですし、抜糸も必要ありません。
無事手術終了ですが、術後もモルちゃんは不安がつきません。抗生物質にとても弱いため、モルちゃんに安全と言われている抗生物質でも内服投与にて調子を崩してしまうことが多いです。また入院のストレスも考慮し(過去にポピーちゃんは入院歴あり)、ポピーちゃんのお母さんはなんと!ご自宅でお注射にてお薬を投与していただくことに。
さすがはポピーちゃんママ、モルちゃんのベテランさんですのでお注射も頑張ってくださり、再診日には同居のテングちゃんと一緒に元気な姿をみせてくれました。術後は少し体調を崩していた時期もありましたが、血尿もなくなりました。
本当によく頑張ってくれました!!
モルちゃんでは卵巣疾患が多いので健診にてチェックをお勧めいたします。
さいたま市、川口市などお近くにお住まいの方でモルモットさんを飼われている方はぜひご相談下さい。