皮膚のトラブルと転覆のウーパールーパー(エキゾチックアニマル)さいたま市/南浦和/川口市/動物病院
獣医師の長尾です。こんにちは。
ウーパールーパーさんのトラブルで多いものは
1.転覆(お腹を下に保てない)
2.浮腫・腹水(体腔水)
3.皮膚病
があります。
多くは飼育環境からくるものです。
今回は、皮膚が腫れてしまったウーパールーパーさんです。同時に体も浮いてしまい、真っ直ぐになってもすぐ横になってしまいます。ご飯もしばらく食べれておりません。
レントゲン上、腸内にガスが発生していました。
おそらく、皮膚の炎症から浸透圧調節ができず、浮腫を起こし、皮膚呼吸などがうまくできず、水面で頻繁に空気を吸うことで、ガスが溜まってしまい転覆してしまったものと思われます。
転覆病にはいろいろ要因があり、肺穿孔、腸穿孔、腸内ガスの貯留などといわれています。肺穿孔、腸穿孔は手術が必要になります。またガスにより膀胱などがお尻からでてしまうこともあります。
今回は腸内ガスだったので内科的に治療を行いました。薬浴や適した水(ホルトフレーターの溶液)にして頂き1週間。
最初は厳しい状況でしたが、食欲も出て、転覆もなくなり、皮膚のトラブルも改善してくれました!
まだまだ油断はできませんが、食べてくれれば一安心です。
ウーパールーパーさんはいろいろな所で販売されていますが、しっかり飼うにはかなり手間が必要です。エキゾチック動物の病気は基本的に飼育環境や餌が本来の環境と違うことで起きるものが多いです。人間でも慣れた環境から、まったく違う環境や食事になるとしばらくは耐えれますが、いずれ体調を崩すのと一緒です。さらに彼らは環境に慣れるということが難しい生き物もいます。幸せに飼育するには本来の飼育環境を出来るだけ再現することが大切です。