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SFTSのセミナーを受講しました

暑さも少しだけやわらぎ、夏の終わりをかんじる季節になりましたね。

先日ジンベイ動物病院ではスタッフがSFTS(重症熱性血小板減少症候群)のセミナーを受講しました。セミナーでは病気のこと、実際にこの病気を診察してご自分も感染された先生のお話、スタッフや飼い主様を病気から守るために必要な知識などを学びました。

この病気は近年、西日本など暖かい地域で認められていた病気ですが、最近では三重県の獣医師がこの病気に感染した猫の治療に当たり、自らも感染して亡くなられたり、茨城県でも飼い猫が感染し死亡(関東では初めてでした)したことなどがニュースになりましたので、病気の名前を耳にしたことがある方もいるのではないでしょうか?

SFTSはフタトゲチマダニというダニが媒介する人獣共通感染症です。犬、猫、人、野生動物(シカやアライグマなど)のそれぞれが感染しますが、感染した時の症状の重症度は動物種による違いや個体差などもあるようです。

猫ちゃんでは感受性が高く、感染した場合には症状がないということはないようです。白血球や血小板の減少や黄疸などを呈し、急性の経過をたどります。死亡率も60%程度と高くなっています。

犬では症状は様々で重篤な子もいれば、中にはほとんど無症状な子もいますが、死亡率は40%程度です。

人でも若い方よりも高齢な方の方が重症化する傾向があり、死亡率は30%ほどだそうです。

無症状(不顕性感染)の子がいるということは、知らない間に他の動物や人にもうつしてしまう可能性があるということなので、わんちゃんがSFTSに感染しないように配慮することも重要と考えられます。

残念ながら、この病気の完全な予防法や治療法はまだ確立されていません。しかし、動物への感染源としては、ウイルス保有マダニに噛まれることが一番頻度が高いと考えられているため、猫ちゃんでは完全室内飼いとしてダニと接触させないことが最も効果的な方法です。

人への感染はウイルス保有マダニに噛まれることや、感染した動物の血液や体液への接触や飛沫感染によっておこることが疑われています。草むらには長袖長ズボンで入ることや、飼育動物への適切なマダニ予防、獣医師や病院スタッフにとっては感染動物の診察の際の適切な防護などが感染対策となるでしょう。

ノミ・ダニ駆除薬を使用している場合でも、この病気に感染してしまった猫さんが報告されていることから、駆除薬のみで完全に病気を防ぐことはできないと考えられているのですが、犬や猫とダニの接触時間をできるだけ短くすることが可能なので、感染対策として有効だと考えられます。

ダニは夏でも冬でも一年中草むらなどに潜んでいます。夏場のフィラリア予防をされているわんちゃんの飼い主さまは沢山いらっしゃいますが、冬場のダニ対策をされている方はまだ少ないと感じます。また、まだまだ猫ちゃんの予防対策をしっかりとされている方は少ないと感じます。

人間を含む家族を守るためにも可能な限り、わんちゃんも猫ちゃんも予防薬の投与をしていただくといいのではないかと思います。特にわんちゃんを同居にもつ猫ちゃんの飼い主様には一度検討していただきたいと思います。

ジンベイ動物病院ではフィラリア・ノミ・マダニなどの寄生虫対策の相談を随時受け入れています。

ニュースで気になられた方がいるようで、少しづつですが、室内飼いのねこちゃんであっても、予防の相談なども増えてきていますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。