

重要 おうちでチェック!?ウサギの急性胃拡張(エキゾチックアニマル)さいたま市/南浦和/川口市/動物病院/ジンベイ動物病院
こんにちは、ジンベイ動物病院です。
最近爬虫類のブログばかりなのですが、爬虫類専門の病院ではありません。ワンちゃん猫ちゃんにウサギさん、モルモット、チンチラ、フェレット、ハム、デグー、モモンガ、ラット・・・・さまざまな哺乳類さんが来院されます。圧倒的に爬虫類さんより多いです。
さて、ウサギの急性胃拡張。緊急疾患ですが本当に多いです。
かならず急性胃拡張について知っておく必要があります。
急性胃拡張はその状況に応じた的確な治療が必要です。急性胃拡張の病態については過去のブログをご参考ください。昨日も鼻から減圧処置がありました。
朝は元気だったけれど、
なんとなくお腹痛そう・・・様子みていたら力が入らなくなって急死・・・
突然鳴き叫んで急死・・・
鼻から緑色の液体が噴き出して亡くなった・・・
急性胃拡張はちょっと前まで元気だった子が突然亡くなることも。怖い疾患です。
一昔前は、食べない⇒うっ滞でしょう⇒点滴と胃腸薬を注射しておきましょう。
で亡くなってしまっていたことも多かったのかもしれません。
動物病院が急性胃拡張について知識をもっていることはもちろんですが、自宅でもこれはヤバいかもということに早めに気付くことが大切です。
※何度もブログでご紹介していますが、ウサギの食べないの原因は多岐にわたります。そして重症度も多岐にわたります。実は、食べない原因は鼻炎だった、前庭症状だった、膀胱炎だった、肺炎だった、肝葉捻転だった。いろいろです。食べないから点滴しておけばいいというのは間違いではないかもしれませんが、それでは助からない症例もいます。
※以下はあくまでも自宅での判断材料です。さまざまなケースがあるので当てはまらないから大丈夫ということはありませんのでご注意ください。いずれにしてもウサギさんが食べないときは早急に病院へ診察することをお勧め致します。
➀まずは症状です。
食べないです。
急に食べなくなった。大好きなものも一口も食べない。
これならちょっと食欲落ちたときも食べるけど、今日はそれも食べない。
などが多いです。ただ、急性胃拡張の病期によっては少しは食べることもあります。
排便や排尿もストップしていることがほとんどです。急にというのがポイントです。
②次に行動です。
お腹を痛そうにします。
床にお腹をつけて箱座り。落ち着かなくていろんな場所に移動しては箱座り。
表情も曇ります。歯ぎしりすることも。こちらも急にです。急性・胃拡張なので当然ですが。
前述したようにふらふらしている&呼吸も荒いときはめちゃくちゃ危険です。触っただけで亡くなることもありますので無理に移動したりお腹を触ったりしないようにする必要があります。
③上記以外の症状もありますが、➀②が認められたら要注意です。
ただここまでは、単純な胃腸機能低下やその他の疾患でも同様の症状が認められることがあります。
続いて自宅でできる触診です。
一つ目は体温です。急性胃拡張は胃液分泌により急性の循環障害が起き死亡します。血の巡りが悪いということは体は冷たくなります。耳はもちろん、お腹の下に手をいれてもひんやりします。これは常に、飼い主様の方で日常的に触って元気なときの体温を感じておく&知っておくことが必須になります。普段から触っていないと気付きません。(特におなか)。自宅で直腸での体温測定は危険なのでお勧めしません。
二つめがいよいよ胃の触診です。何度も書いていますが触診については無理は厳禁です。・・・でも、最近は飼い主様が胃を触って「この張り方は急性胃拡張だと思う!」といって来院されるケースも増えていて、実際そのような場合に急性胃拡張であることも多いです。なのでとても重要なものと感じたため今回ブログにしました。胃の位置を知っていれば外から軽く触るだけでわかることも多々あります。(個体によっては胃が触りにくい子もいます)。
それでは胃の位置はどこでしょう?
以下はあくまでも飼い主さま向けに簡単に書いてます。詳細は動物病院で力加減を必ず指導してもらってください。また、体温と一緒で、胃も普段から体を触る習慣をつけることで異常に気付きやすくなります。普段から触っていないと緊急時に突然触っても、まず異常にも気付きません。突然様子がおかしいからといって胃を力強く押すことは禁忌です。最悪胃破裂して即死です。
なので以下の触診は普段から触っている・病院でも指導をうけた場合のみ参考にしていただければ幸いです。

モデルは当院のやんちゃウサギさんのオペラちゃんです。かわいいですね。まだ1歳です。
ずばり胃は左上腹部です。ウサギさんの左です。あばら骨の最後のあたりの周囲です。

このように触ると急性胃拡張時は水風船のようにパンパンの胃が触れることが。
(胃の大きさは個体差がありますし、胃拡張もタイミングによりパンパンでないこともあるので触診を鵜呑みにしないでください、あくまでも参考までに)


弾力のある風船状のものが触れることが多いです。
揉まないで、表面から軽く撫でるだけでもわかるときもあります。
撫でるだけであれば負担も大きくなくどなたでもできますね。
何度も書きますが無理な触診は厳禁です。
☆そして最後に重要なことです。最近はウサギの診察をしている病院は増えています。が、犬猫病院と比べて圧倒的に少ないです。そして、必要な治療が的確に行える(病院によりやり方は様々なので、ここに挙げた治療内容なども正解というものはありません)病院を探しておく必要があります。おかしくなってから・・・では病院がみつからないこともあります。見つかってもエキゾチック病院は混雑が予測されるので場合により予約が取れないこともあります。病院を探している・待っている間に死亡してしまうこともあるのが急性胃拡張です。必ずすぐに病院にかかる必要があるのです。そこで、元気な時から病院を探しておくこと、また定期的に健康診断に連れて行っておくことが重要です。そこの病院と飼い主さまの相性もあります、ウサギと病院との相性もあります。なんといっても信頼関係を気付いておくことが一番重要です。普段から病院に慣れておくことによって緊急時にもウサギさんは多少耐えることができると思っています。病院に行ったことがない子が、すごく状態の悪い中で初めて外に出て、いろんな人や動物のにおいなどを嗅ぐ・・・考えただけでもさらに調子が悪くなります。実際、移動途中でショック死することも珍しくないです。そして元気なときに通院していれば獣医などと一緒に胃の位置を確認しておくこともできます。実際、獣医側からするとウサギさんの胃の状態はその子その子少しづつ違うのです。病院としてもそのこの胃の状態の把握にもなります。
急性胃拡張は、最善を尽くしても亡くなってしまうことがあります。飼い主様の気持ちも、元気だったのになんで突然・・・となります。普段から病院との信頼関係を作っておく、飼い主さまも病気についての知識をもっておく。それが大切ですね。
ぜひ、元気なうちから専門病院にかかっておくことをお勧めします。