ケヅメリクガメの結石手術(エキゾチックアニマル)さいたま市/南浦和/川口市/動物病院
こんにちは、獣医師の長尾です。
今月はケヅメリクガメさんの結石手術が2つありました。
その他、卵詰まりのクサガメさんやアカミミガメさんの手術、足をとる断脚手術をしたクサガメさんなど様々な手術がありました。
さて、ケヅメリクガメさんですが、とても結石ができやすいカメさんになります。
小さい結石であれば少し経過を追って流れるか見てみたり、大腿部(鼠経部)からのアプローチで甲羅を開けなくても手術できることがありますが、大きくなってしまった結石は甲羅を開けなくてはいけません。
甲羅も開けられる範囲が限られており、大きな結石は小さなスペースから摘出するのが、なかなか困難です。
今回のケヅメリクガメのドリアンちゃんは10cmにも及ぶ大きな結石ができておりました。その影響で膀胱からの出血を繰り返しており、貧血を呈しておりました。
そこで、ひとまず止血剤投与にてしばらく経過を追い、状態を改善させてから開甲(甲羅を開ける手術)手術にて結石を取り出すことにしました。
ドリアンちゃんはとてもきれいに成長しており、飼い主様の愛情をいっぱい受けて成長してきたことがわかります。今回はCT検査も行っていただきました。
され、手術ですが、結石があまりに大きく、結石の重さから、甲羅をあけてもなかなか取り出すことができません。そこで、体の中で膀胱を切開し、少しずつ結石を砕きながら摘出いたしました。
結石は一部膀胱にもくっついていました。これは本人からしたらとても痛いことです。カメさんは表情には出しませんが、痛みなどにはとてもデリケートで繊細な生き物です。
なんとか無事に摘出し、翌日からは歩けるようになりました。
今後も、結石は繰り返すことが多いので要注意です!
ケヅメリクガメさんは特にそうですが、リクガメさんは結石ができやすい動物です。それは飼育環境や餌など様々な原因が関係しています。結石ができていることに気づかないと、徐々に体力が低下していったり、やはり本人は苦痛なので可哀そうです。
カメさんを飼われている方は定期的な健診にてレントゲンを撮ることをおすすめいたします。早めに気づけば大事に至らずに済むこともあります。